てつでん博物館
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タブレット
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通票閉塞器

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4種類の通票

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通票閉塞器の説明書

 鉄道の世界で「タブレット」といえば蒸気機関車、機械信号機やレピーターと共に郷愁を呼びおこします。当社の玄関に動態保存した通票閉塞器は第①種ですが、相手駅長と打合せするための電話機が無くなっていたため、大正時代の磁石式電話機を模して当社木工部で復元しました。

 正式名称は「通票閉塞器」と称し、駅々間で一対の「通票閉塞器」を設置し一回線の電線で接続し、両方の駅長の共同操作によって、いずれか片方の「通票閉塞器」から一枚の通票(タブレットの玉)が取り出せます。この通票が次駅までの通行手形で、駅長がこれを輪っぱの付いた革製の袋(キャリア)に入れて、機関士に授けます。機関士はこの通票を確認して出発します。(1種から4種まで4種類あり、区間によって使用する種別が決められており、違った種別の通票を持って出発すると、赤信号暴進と同じで正面衝突や追突、脱線という大事故になります。)

 列車が相手駅に到着すると機関士から駅長にこのキャリアごと渡し、受けとった駅長はキャリアから通票を取りだし、通票閉塞器の上部スライダーから玉を納めます。これによって、両駅の通票閉塞器を全て定位状態に戻すことができ、改めてどちらかの駅から通票を取り出すことができます。

 単線の場合は駅々間で一対ですが、複線区間では上下線別に二対設置します。また、特殊な使い方として、大きな操車場等では相手駅と接続した「通票閉塞器」を置いてある駅長室と、機関車の出発する場所が遠い場合に、取り出した通票を運搬する手間と時間がかかるため、同種別の「通票閉塞器」をもう一対、機関車の出発位置と駅長室の間に設置して、これに取り出した通票を納め、相手の機関車側の通票閉塞器から同種の通票を取りだして機関士に渡すという「疑似搬送システム」とも言える「通票搬送器」という使い方もありました。

 日本国有鉄道・運輸総局・信号通信局発行、昭和二十六年三月現在の「信号図集」には、昭和十年七月達第五六六号定規図として25枚に亘って掲載されています。

 筐体は頑丈な鋳鉄製で、各種可動部は黄銅をはじめとして、砲銅(砲金)、鋼、軟鋼、硬鋼、最硬鋼、洋銀、白金、鋳鉄、鋳鋼、アルミニューム等の様々な金属を使い分け、摺動部の摩耗を最小限に抑えると共に、電気接点部の接触不良を無くするなど、極めて高度で精密な完成された装置になっています。JR西日本管内では、平成13年まで木次線で活躍していましたが、遂にその使命を終え通票閉塞器は姿を消しました。
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在りし日の通票閉塞器

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通票閉塞器の外形図

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通票閉塞器の側面図

株式会社てつでん